0. はじめに
こんにちは。ワラゴンです。
今回はアメリカに移住する方法のうちの一つとして、アメリカの短大に入学するというお話をしたいと思います。
エンジニアのアメリカ進出・移住を応援するシリーズ
以前の記事で、アメリカに留学するなら語学留学ではなく短大に入学した方が良いという記事を書きました。
アメリカへの留学は語学留学だけじゃない。こんなに違う語学留学と短大留学
ただ、短大と言えども大学です。
大学に入学と聞くと、「試験難しい」とか「英語なんてまだできないし」と思ってしまうのではないでしょうか。
この連載でターゲットにしているのは、社会人経験のあるエンジニアさんなので、特に英語苦手という人も多いと思います。
でも、四年制大学ではなく、単に短大(コミュニティ・カレッジ)の場合、実は意外とそうでもないんです。
超ざっくりですが、一般にアメリカの短大に入学する場合に必要なものは以下になります。
・銀行の残高証明
・高校以上の卒業証明書
・一定レベルの英語力がある事を証明するもの
※必要な書類は学校によって異なります。健康に関する書類やビザ関係の書類も必要ですが、ここでは割愛します。
このように、アメリカの短大に留学するにあたっては、日本のような一発勝負の入学試験はないのです。
学校によってはに小論文(エッセイ)を提出しなければならない場合がありますが、時間さえかければ何とかなると思います。
ちなみにこれは短大に限っての話です。有名四年制大学の場合は、テストの結果やボランティア活動などの実績が必要になるので、かなりの難関になります。
こうして見ると、唯一の障壁となりうるのが、「一定レベルの英語力がある事を証明するもの」だと思います。
多くの場合、英語力の証明に最も使われるのが、皆さんご存知のTOEFLです。
でも、TOEFLって、スピーキングあるし、難しいですよね。
しかも高い!
2019年2月時点でTOEFLは$235となっています(高いっ!)。
しかし。
英語力の証明となるものって、TOEFLだけではないんです。
それが、今回のテーマ「英検」になるわけです。
まあ「英検が使えるんです」で終わってもいいのですが、私の経験も踏まえてもう少し踏み込んでみたいと思います。
1. 何級から使えるの?
まず、英検と言っても、ご存知の通りいろんなレベルがあります。
アメリカの短大入学に使えるのは、一番低いレベルで2級になります。
しかし、2級では受け入れてくれる学校が少ないので、少なくとも2級Aをクリアする必要があります。
2級Aというのは、2級を好成績で合格することです。それによって英検協会から2級Aという証明書を発行してもらうことが可能になります。
ただの2級よりも、2級Aの方が入学できる大学の選択肢がぐっと広がるので、ここは少し頑張る必要があります。
っていうか、アメリカへの留学を考えているなら、2級Aくらいはクリアしないとアメリカに来ても難しいかもしれません、、、
2016年から英検のテスト形式が変わったんですね、、、
2級でもライティングが追加されたようで、ちょと難しくなったのかな、、、?
それでもTOEFLよりはずっと楽なはずです。がんばって!!
以下のように、英検のサイトでは英検を使って入学できる学校の一覧が掲載されています。
ここで、ただの2級の場合は12校の短大しかないのに対して、2級Aでは64校の短大に入学することができます(2019年2月時点)。
このように、2級Aではかなり選択肢が増えるので、ここは無理してでも2級Aを取るようにがんばりましょう。
2. どの学校に入れるの
上でも書きましたが、どの学校に使えるかは英検のサイトで検索することができます。
この記事では英検2級Aを使って短大に入ることを目標にしているので、「英検取得級を2級A」、「所在地は何もチェック無し」、「学校区分は2年制私立と2年制公立」にチェックを入れて検索します。
その結果、上でも書きましたが64校(2019年2月時点)がヒットします。
ここで、注意しておきたいのが、半数以上がカリフォルニアの短大である、ということです。
そうすると、結果としてカリフォルニアへの留学になることが高いかもしれません。
カリフォルニアへの留学は生活費が高くつくのが痛いところですが、まあ、どこの語学留学エージェントでも取り扱っている学校はカリフォルニアが多くを占めていることに変わりはないので仕方がないでしょう。
私が留学したのは2008年からだったのですが、当時もやはりカリフォルニアの大学が多かったです。
当時私は、カリフォルニアがどんなところか全く知らなかったのですが、漠然と「カリフォルニアはITの最先端」みたいなイメージがありました。なので、上記の英検サイトののリストのうち、とりあえずカリフォルニアの短大のホームページを調べて、勉強したい学科がある学校を選びました。
3. 学費はどうなの?
以前の記事で、短大の学費は語学学校に比べて安いと書きました。
アメリカへの留学は語学留学だけじゃない。こんなに違う語学留学と短大留学
そこでも書きましたが、短大の学費は1単位いくらという料金設定なので、単位を多く取るほど学費は高くなります。
(念のため、単位を取るというのは、クラスを受講するという意味です。)
一般に、短大における1単位の料金は$250から$350くらいです。
さらに、留学生においては取得しなければならない単位数というのが決まっており、これが通常12単位と定められています。
この条件で計算すると、2セメスター制の学校ならだいたい年間$6,000~$8,400となります。
カリフォルニアでかなり安い部類の語学学校でも年間の授業料が$10,000を下回ることはないので、かなり安いという事ができます。
私が留学した時は2008年だったのですが、1単位約$230くらいでした。
上の条件で計算すると年間約$5,500だったので、かなり安かった部類だと思います。
ただ、当時は学費がどうのこうの、というのを考える(または調査する)だけの英語的な余力がなかったので、学費についてはあまり考慮に入れずエイヤで決めたというのが正直なところです。
結果としてたまたま選んだ学校の学費が安かったので、まあ、単に運がよかっただけとも言えます。
4. どのように出願するの?
詳しくは英検のホームページにあるのですが、ここで簡単に出願の方法をまとめておきます。
出願の方法と言っても、各大学によって必要な書類は異なるので、英語力を証明以外の書類に関しては各大学の申し込み要綱を確認してください。
ですので、ここでは特に英検を英語力の証明とする場合の手続きについてのみお話します。
大前提として、英検協会にスコアレポートを「希望の学校に直接」送ってもらう、という流れになります。スコアレポートを自分宛てに送ってもらい、それを希望の学校に郵送するような流れではありませんのでご注意下さい。
4.1 英検に合格する
まずは何といっても英検に合格する必要があります。
これから受験する場合は、2016年から始まった新しいテスト形式による基準をクリアする必要があります。
この記事で目標にしているのは、英検の2級Aですので、CSEスコア2150点が当面の目標になります。
合格したときに送られてくる成績表で2150点以上取得できたかどうか判断することができます。
4.2 お目当ての学校を決める
2級Aを使って入学できる学校の中から、自分が行きたい学校を決めます。
勉強したい専攻やコースがあるかどうか、学費はリーズナブルか、場所は大丈夫かなどを考慮して決めると良いでしょう。
アメリカ:英検認定校検索 | 英検 | 日本英語検定協会
私の場合は、カリフォルニアの学校の中から自分が勉強したいコースがある学校を選びました。
4.3 英検にスコアレポート発送依頼をする
英検サイトのお問い合わせページにて、必要項目を記入して「送信」します。
このページで申し込みをする際、上で選んだ希望の学校とその住所を記入することになります。
4.4 その他必要書類を英検に送る
上のページの申し込みだけではまだ終わりではありません。
スコアレポートに載せるための顔写真と本人確認のための身分証明書のコピーを別途送付する必要があります
最も簡単なのは、顔写真も身分証明も、スマホで撮ってしまってEメールで送る方法です。
送付先は英検のページにある通りinternational@eiken.or.jpとなります(必ず自分で英検のページを確認してください)。
デジタルのものが用意できない場合は普通の証明写真と身分証明をコピーしたものを郵送する形になります。こちらも必ず英検のページで確認して頂きたいのですが、送付先は以下になります。
〒162-8055 東京都新宿区横寺町55
TEL:03-3266-6839(平日9:30 ~ 17:30)
4.5 発行手数料の払い込み
最後に、スコアレポートの発行手数料2,200円(2019年時点)を指定口座に振り込みます。
振込先は以下になります(必ず自分eで、、、)。
みずほ銀行 飯田橋支店(061)
普通口座 2314004
公益財団法人 日本英語検定協会
最後に英検を使った留学について、英検の公式サイトをご案内しておきます。
5. まとめ
いかがだったでしょうか?
今日は英検が外国の大学に入学するために使えるという裏技的なお話でした。
アメリカの大学へ入学と聞くと、少しハードルが高そうに聞こえますが、英検2級Aレベルで入れるとなると、かなり希望が見えてくるのではないかと思います。
私もこの方法でアメリカの短大に飛び込んでいったわけですが、正直、最初はなかなか辛かったです。まぁ、楽して入学したツケとも言えますが、とにかく授業についていくのが大変でした。
しかし、私の場合は日本でITの経験があり、専攻した分野もIT関連だったので、英語が分からずとも何とか食らいついていくことができました。そして周りの学生と何とかコミュニケーションを取るうちに、少しずつ英語が分かるようになっていったような気がします。
この記事を読んでいる皆さんも、日本でITの経験がある人が多いのではないかと思うので、私と同じようにIT関連の専攻を選ぶと挫折しないで済むかもしれません。
英検2級Aというのは、本当に少し頑張れば誰でもクリアできるレベルだと思います。
海外進出を視野に入れているエンジニアさんは、ぜひ英検を使った大学入学を検討してみてください。