エンジニアのアメリカ進出

アメリカ生活のここがイヤ!移住して後悔したこと 前編 3つ

投稿日:2019-02-01 更新日:

0. はじめに

こんにちは。アメリカに移住して10年くらいは経っているワラゴンです。

以前、海外留学・海外就職を考えている人に向けて、アメリカをオススメしたい事9選という記事を書きました。

アメリカ生活サイコー!移住して感じたメリット・オススメしたい事9選!

 

私の独断と偏見がふんだんに入った内容でしたが、ロサンゼルスに在住する日本人の生活の実態を物語るリアルな内容だったのではないかと思います。

しかし、まだあなたが海外への留学、就職を考えていて、その行き先が決まっていないなら、上記の記事だけで判断してはいけません。

また、既に留学先、あるいは就職先としてアメリカと決めているなら、この記事を読んでもう一度考え直してください。

 

当たり前ですがアメリカに根を下ろすという事は、決して良い事ばかりではありません。

 

今回はアメリカに在住する事に関して、おすすめしたくない点について語りたいと思います。

 

前もって言っておきますが、非常に深刻なテーマが多いです。上の記事でお話したメリットと比べると、デメリットのほうが圧倒的に多く、それぞれ致命的なものだと思います。

私は、渡米してかれこれ10年くらい経ちますが、アメリカに来たことは正直に言って失敗だったと思っています。

失敗だと思った一番の理由は「この10年をアメリカ以外の土地で過ごしたなら、もっと楽な生活をしつつ貯金もできていたんじゃないかなー」と思うからです。

 

それほどまでに、アメリカでの生活というのは弱者に厳しい環境だと言えます。

 

以前の記事で、エンジニアは海外、特にアメリカに進出した方が良いと書きましたが、相応の覚悟が必要だという事も知っておいた方が良いと思います。

エンジニア(SE・プログラマ)がアメリカに進出した方が良い理由

それでは、アメリカの悪いところを見ていきましょう。

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エンジニアのアメリカ進出・移住を応援するシリーズ

 

 

1. 金が全て。必要最低限の生活は保障されていない

いきなり核心に迫ってしまいましたが、そういうことです。

アメリカに生活してみてつくづく思うことは、人間としてのまっとうな生活を送るには、とにかくお金が必要だ、という事です。

日本では医療、安全、教育といった国民生活の根幹を担うサービスが、国全体でしかも非常に高いレベルで保障されています。

しかし、アメリカではこれらのサービスを人間としてまともな水準で手に入れようと思ったら、相当のお金が必要になってきます。

例えば、医療を考えてみます。

アメリカには基本的に(※1)国が運営する国民皆保険制度というものがないため、病院に行きたかったら民間の医療保険に加入しておく必要があります。

※1:2014年、オバマ大統領によるAffordable Care Act(通称オバマケア)が施行され、一定水準の医療保険に加入していない者は罰金を支払わなければいけなくなりました(Affordable Care Actの骨子はこれだけではありません。念のため)。

 

しかし、この医療保険が高い。目が飛び出るほど高いんです。独身なら$300 - $400、家族プランだと$900 -$1,100くらいでしょうか。

しかも、毎年上がっていくのです。

まったく、理不尽にもほどがあります。

理不尽ですが、これは恐らく将来的にも改善する見込みはなさそうです。トホホ、、、

同様に、お金がなければ安全な地域に住むこともできず、子供にまともな教育を受けさせることもできません。

安全?教育?どこも同じでしょ?と思ったあなた。

 

あまい。

 

アメリカではみんな安全と教育をお金で買ってるんです。

以前、アメリカの家賃相場の記事を書いたときにも言及しましたが、お金持ちが集まる場所は安全と教育の水準が良くなっていくため、より一層お金持ちが集まるという仕組みとなっているのです。

 

それにしても、どこに行っても平和で、どこに行っても一定水準の教育を提供している日本はやっぱりすごいですね。

 

2. 移民に冷たい、ビザの維持が大変

アメリカは歴史的な背景もあって移民の多い国ではありますが、やっぱり移民、つまり外国人には冷たい印象があります。

まず、アメリカが移民の国だと言っても、ビザの維持は非常に大変です。

アメリカに長く滞在しようと思ったら、定期的な収入を得る必要があります。

しかし、収入を得るためには、就労可能なビザを取得する必要があります。

そして、就労可能なビザというのはその種類が限られていています。

私が知る限り、現在日本に住んでいる人がこれからアメリカで収入を得ようと思ったら、H1B、J1、E1くらいしか選択肢がないと思います。

このうち、最も一般的なのがH1Bで、これは4年制大学卒業かそれと同等の職務経験が必要とされる専門職に発行されるビザです。

しかし、このH1Bというのは、以前からアメリカの企業(特にIT企業)が安い労働力を他国から得るために利用されてきたという見方が強いビザです。

そのため、America Firstを掲げるトランプ大統領となってからは、H1Bの発給条件の見直しも議論に上がっているようです。

実際、ビザやグリーンカードの審査が厳しくなっているのも事実です

このような理由から、アメリカにずっと住みたいと思っても、ビザの関係でその希望を叶えられない人はたくさんいます。

 

ですので、これからアメリカへの移住を考えているのであれば、十分なプランと覚悟が必要となるでしょう。

 

ま、まあ外国人に厳しいのは日本も同じですかね、、、

本当に、日本で奮闘している外国人の若者には頭が下がります。

 

3. 簡単に解雇(レイオフ)される

日本も実力主義を謳う企業が増えています(本当?)。

まあ、いずれにしても、トヨタですら終身雇用は難しいと弱音を吐く昨今です。

給料に見合った実力が伴わない人材は、会社の中での立場も危うくなっていく時代だと思います。

 

アメリカではまさにその通りで、給料に見合う成果を出せない従業員は、いとも簡単に解雇されてしまいます。

高額な給料をもらえる代わりに、いつでも解雇される可能性があるというリスクは常につきまといます。

よほどのスキルがある人は別ですが、私のような何の変哲もない凡人にとっては、このリスクは恐怖以外の何物でもありません

実際、私の身近な人間の話でも、解雇(つまりレイオフ)という話題は絶えません。

私の知り合いに、優れた日本人プログラマがいるのですが、彼は何度も解雇を言い渡される経験をしています。

彼の場合、腕は確かなのですが、とにかく上司との折り合いをつけるのが苦手で、納得できないことは相手が誰であろうととことん追求するタイプです。

自分の意思をはっきりと伝えることは、ここアメリカでは誰もが幼いころから学習する大切なスキルです。そして何より、私は個人的にはこのように強い意志を持った彼をとても尊敬しています。

しかし、そんな優秀な彼でも簡単にレイオフされてしまうのですから、私のようなレベルでは2か月と持たないでしょう。

私の場合、この恐怖を克服することができないがために、安い給料でも日系企業に依存せざるを得ない状況なのです。

 

注意:日系企業なら安全かというと、そうでもありません。日系企業といえども、アメリカでビジネスを展開する上ではアメリカの商習慣、雇用習慣を採用しています。ですので、契約時(採用時)に「片方の一方的な都合で契約を終了できる」という旨の契約書にサインします。つまり、基本的には会社側に「お前クビ」と言われたらそこで試合終了。同じく従業員側も「俺ヤメル」と言ったらすぐに辞めていいことが権利として認められています(現実的にはそうでないケースも多いようですが)。これを at will employmentと言います。

 

日系企業の場合、レイオフがないというわけではないですが、アメリカの企業ほど冷徹ではありません。

繰り返しになりますが、よほどの実力がない限り(特にITの分野では)、米系の企業で継続して雇用されるのは難しいのではないかと思います。

しかしアメリカ在住の日系企業に勤めるという事は、高額な給与は望めないため、私のようにじり貧生活を続ける可能性が高くなります

 

このブログでは、これからアメリカへの移住を考えている皆さんが、私のような失敗の代表にならないように、できる限りの情報をお伝えしたいと考えています。

アメリカの悪い点についてはまだまだ伝えなければいけない注意点があるので、次回に続けたいと思います。

半分愚痴みたいになっていますが、これが底辺ロサンゼルス在住者の本音と思ってお付き合いください!

 

後編はこちら

アメリカ生活のここがイヤ!移住して後悔したこと 後編4つ

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