こんにちは。アメリカに移住してだいたい10年くらいになるワラゴンです。
アメリカは誰もが知っている通りクレジットカード大国です。
日本人のあいだでは、クレジットカードに対してあまり良い印象を持っていない人もいるかもしれませんが、アメリカで生活するならやっぱりクレジットカードは必須になってきます。
しかし、アメリカに移住してきた日本人にとっては、クレジットカードを作るというのは、理由は後で書きますが意外とハードルが高いものなのです。
そこで、今回はアメリカに駐在で来ることが決まった人向けに、どんな選択肢があるかを書いてみようと思います。
クレジットカードがないといろんなことができない
その前に、クレジットカードがないとどんな風に困るのかを書いておきたいと思います。
すぐに思いつく限りでは、大きく以下の2点になります。
・携帯の契約、アパートの契約等が難しい
・車のローン、住宅購入のローンができない
まず、クレジットカードを持っていないという事は、クレジットヒストリーがないということです。
そして、携帯電話やアパートの契約をする時は、多くの場合クレジット審査があります。
クレジットヒストリーを見て、月々の支払をきちんとできそうな人かどうかを判断するためです。
ではクレジットヒストリーがない場合はどうなるでしょうか?
携帯の契約の場合、多くの場合高額のデポジットを取られます。
保証金と言ったところでしょうか。
少し調べてみたところ、例えばVerizonでクレジットヒストリーなしで契約する場合は400ドルのデポジットが取られるようです。
1年間滞りなく支払いできれば返ってくるようですね。
同様に、車のローンや住宅ローンも組むことができません。
駐在の方の場合は、住宅ローンを組むというケースは少ないかもしれませんが、車の購入くらいだったら十分ありそうです。
クレジットヒストリーがない場合、車のローン自体は組めますが、高い金利を払うことになります。
昔、クレジットヒストリーなしで車のローンを組んだ知人がいたのですが、8%くらいの金利だったと言っていました(ちょっとうろ覚えですが)。
普通にExcellentレベル(750以上)のクレジットヒストリーがあれば、年利3%くらいで組めるところなので、ほとんどぼったくりに近いですね。
ちなみに私はアメリカで新車を購入したことがあるのですが、その時はクレジットスコアもExcellentだったことと、対象の車(カローラ)がキャンペーンをやっていたこともあって、年利1%でローンを組むことができました。
参考までに、仮に20,000ドルの5年ローンと仮定して、最終的に金利分をいくら払うことになるかを計算してみましょう。
すると、年利3%なら金利分は1,562ドルなのに対し、8%の場合では4,332ドルになります。
実に2,770ドルの差になるので、なかなか無視できない金額だと思います。
アメリカで生活するならやっぱりクレジットカードがあった方が断然いいんですが、駐在さんとなると少し事情が違います。
例えば任期が3年と決まっているなら、多少高い金利で車の購入をしてしまうという判断ももちろんアリだと思います。
この記事で書いた内容を読んで、自分にとってクレジットカードが本当に必要かどうかを検討しましょう。
アメリカでクレジットカードを作るのに必要なもの
アメリカでクレジットカードを作るのに必要なものは、基本的には以下の4点になります。
SSN
Social Security Numberですね。
これは駐在でアメリカに来ている人にとってはそんなに問題になることはないでしょう。
学生さんの場合だと、SSNの獲得が最も困難な壁になります。
アメリカの住所
アメリカでクレジットカードを作るには、アメリカ国内で定住していることが条件となります。
別に一軒家やアパートである必要はありません。
ホームステイやルームシェアでも住所があれば大丈夫です。
実際、現物のクレジットカードは登録した住所に送られるので、自分がきちんと受け取れる住所が必要です。
アメリカの銀行口座
次に銀行口座が必要になります。
とはいっても、アメリカに住んでいて銀行口座を持っていないという状況はあまり考えにくいので、これは皆さん大丈夫だと思います。
私は留学するために渡米して、2日目に口座の開設に成功しました。
あまり覚えていませんが、パスポートとかI-20とか、ホームステイ先の住所とか色々持っていったら銀行のあんちゃんがよしなにやってくれました。
当時は片言の英語すらままならない状態だったので、言われるがままに(何を言っているか分かっていない)イエス、イエスといって冷や汗をかきながら切り抜けたことを覚えています。
クレジットヒストリー
そして、一番重要なのが、このクレジットヒストリーです。
アメリカ人にとっては、クレジットヒストリーはあって当然で、あとはそのスコアが良いか悪いか、という点が注目されます。
しかし、私たち日本人は、そもそもクレジットヒストリー自体がありません。
渡米間もない頃ならなおさらです。
スコアが0とかそういう次元ではなく、オサレな感じで言うならNA。
Not applicable
プログラマーならNULLと言えば分かりやすいでしょうか。
スコアが良い悪いどころの話ではなく、スコア自体がないので話になりません。
日本でクレジットカード健全に使っていても、基本的には役に立ちません。
じゃあどうやってクレジットヒストリーを作るの?
と思うかもしれませんが、クレジットヒストリーを貯めていくには、なんとクレジットカードを使う必要があります。
これを聞いたとき、私も最初は??と思いました。
クレジットカードを作るのにクレジットヒストリーが必要なのに、クレジットヒストリーを貯めるにはクレジットカードが必要だなんて、、、
意味が分からないよ。
これは、どこのサイトでも言われていることですが、マジで卵が先かニワトリが先かみたいな話です。
そんな無理ゲーどうやって攻略するの?と思いますが、手段がないわけではないので、次の項で説明します。
クレジットヒストリーがなくても作れるカード
駐在でアメリカに来ている日本人にとって、一番確実なのが以下の3種類のカードになります。
・ANA CARD U.S.A. CARD(年会費70ドル)
・JAL USA CARD (ベーシック:年会費20ドル、プレミアム:年会費70ドル)
・Premio(Premio:年会費無料、Premio Plus:初年度無料、以降50ドル)
駐在でなくても、OPTや現地採用などでSSN(Social Security Number)を既に持っているなら、審査に通過する可能性は非常に高いのでチャレンジしてみるといいでしょう。
そういう私も、アメリカで初めて作ったカードはPremioでした。
私は当時、日系企業へ現地採用されたわけですが、OPT期間も含めると1年以上はアメリカで働いた後だったので、割とすんなり審査に通過しました。
上記3つのカードの申し込みページを見てみると、どこも似たような入力項目と画面遷移のページになっているので、おそらく同じベンダーさんが一手に引き受けてやっているんじゃないかなと思います。
それはさておき、駐在で来ている人の強みは最初からSSNがあることと、日本の法人や日本の家族という後ろ盾があることですね。
実際、上記のカードの審査も、日本の企業の情報や日本での職務経験などを考慮しているようなので、駐在員ならほとんど間違いなく審査に通ると思います。
以下に、上記3つのカードに共通する特徴をまとめておきます。
同じ会社がやっている(と思う)ので、共通部分が多いです。
入会条件
・年齢18歳以上の方
・アメリカに定住所をお持ちの方、あるいは90日以内にアメリカに赴任予定の方
・アメリカにて、定収入をお持ちの方
ちなみに、ANA CARD U.S.A. CARDとJAL USA CARDは、クレジットカード申請の前に、それぞれの航空マイレージプログラムに登録する必要があります。
どちらのマイレージプログラムも、無料で入会できます。
・登録時に必要な情報(主なもののみ抜粋)
アメリカ勤務先の住所や電話番号など(※1)
ビザの種類
母方の旧姓
日本の実家連絡先
アメリカでの年収
アメリカの住所(※2)
SSN(※2)
※1:学生の場合は学校の情報でOK
※2:渡米前に申請する場合は不要
ANAやJALのマイレージを貯めているなら、それらのカードを作っても良いですし、私のように年会費無料のPremioカードを作る、というのもアリだと思います。
カード自体の特典はぜんぜん大したことはありませんが、これらのカードでクレジットヒストリーが貯まっていくので、最初の6ヶ月くらいは我慢です。
カードを作ったら、必ずCredit Karmaのアカウントを作成しよう
カードを作ったら、次は自分のクレジットスコアがいくつなのかを知る必要があります。
以前、クレジットスコアの仕組みに関する記事を書きましたが、そこで紹介したCredit Karmaという無料のサービスがあるので、すぐに登録しましょう。
スコアが740とか750を超えるようになると、ほとんどどんなカードでも審査に通るようになります。
そうなったら、本場アメリカのクレジットカードに申込んで、特大ボーナスを手にしましょう。
Secure card という手段
ちなみに、上の3種類のカード以外にも、アメリカでクレジットヒストリーを貯めるために銀行のSecure Cardどいうものを作る、という情報があります。
私はこのようなカードを作ったことはないのですが、使う前に一定金額をチャージしておき、その金額しか使うことができないタイプのカードになります。
以前、Secure Cardを作ったよ、という人の話を聞いたことがあるのですが、その人の場合は月々500ドルまで入れることができたそうです。
少し使って普通に支払いを済ませていれば、普通のクレジットカードと同等に評価されるので、クレジットヒストリーも貯まっていきます。
ただ、私の個人的な感想としては、「こんなの要るかな?」と思います。
SSNとアメリカでの勤務先さえあれば、先に紹介した3つのクレジットカードの審査に通る可能性の方が高いんじゃないかと思います。
何らかの理由で、上の3つのクレジットカードの審査に通らなかった場合にSecure cardを検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以前の記事で書いたように、アメリカのクレジットカードのサインアップボーナスは二度見するほど特大です。
駐在で任期が決まっていたとしても、1年以上アメリカで暮らすなら、その恩恵が受けられるのではないかと思います。
なので、今回紹介したANA、JAL、Premioのいずれかのカードを申し込んで、なるべく早く一般的なアメリカのクレジットカードを作れるように準備を進めるのが得策です。
今回のまとめ
- クレジットカードがないとローンができない
- クレジットカードがないと携帯の契約で高額デポジットが取られる
- アメリカでクレジットカードを作る際、SSNとクレジットヒストリーが必要
- 駐在員がアメリカでクレジットカードを作るなら以下の3つの選択肢(クレジットヒストリーなしで作れる)
- ANA CARD U.S.A. CARD(年会費70ドル)
- JAL USA CARD (ベーシック:年会費20ドル、プレミアム:年会費70ドル)
- Premio(Premio:年会費無料、Premio Plus:初年度無料、以降50ドル)
- 銀行のSecure Cardというのもあるが、これは最終手段
- クレジットカードを作ったら、必ずCredit Karmaに登録しよう