こんにちは。ワラゴンです。
このブログを読んでいる人は、ITエンジニアの人もいるかと思いますが、私の経験ではIT業界はどこも残業が多いなーという印象があります。
実際、私も日本では毎日2,3時間の残業は当たり前のような日々を送っていました。
一方、アメリカの企業で働く人は、年間どのくらい働いているか想像したことがあるでしょうか?
毎日定時で帰って、有給使いまくりのヌルい生活をイメージする人もいるかもしれないですね。
しかし、以前、アメリカ生活のここがイヤ!移住して後悔したこと 後編4つという記事で少し触れたのですが、アメリカ人って、日本の皆さんが想像しているよりずっと働き者なんです。
というわけで、今日は、アメリカの祝日について少し書いてみたいと思います。
アメリカの祝日は州によって異なる
アメリカは国土が大きく、それぞれの州の自治権の範囲が日本よりも強い国です。
道路交通法にしても、税金にしても、州によって法律が異なります。
祝日・祭日も州によって異なっています。
一応、連邦政府がアメリカ全体の祝日として10日を定めているのですが、全ての州がそれに従っているわけでもありません。
一方で、それぞれの州独自の祝日が定められています。
日本とはかなり違いますね。
連邦政府の定める祝日 -10日
それでは連邦政府が定める祝日である10日を以下に示します。
1月1日 | New Year's Day |
1月第三月曜 | キング牧師の誕生日 (Martin Luther King, Jr. Day) |
2月第三月曜 | ジョージ・ワシントンの誕生日 (George Washington’s Birthday) |
5月最後の月曜 | メモリアル・デイ (Memorial Day) |
7月4日 | 独立記念日 (Independence Day) |
9月第一月曜 | レイバー・デイ (Labor Day) |
10月第二月曜 | コロンバス・デイ (Columbus Day) |
11月11日 | 退役軍人の日 (Veterans Day) |
11月第四月曜 | サンクス・ギビング(感謝祭) (Thanksgiving Day) |
12月15日 | クリスマス (Christmas Day) |
カリフォルニアとニューヨークの場合
上でも書きましたが、全ての州が連邦政府が定める祝日を採用しているわけではありません。
どの州も、「基本的には連邦政府の祝日カレンダーを使うけど、一部の祝日は不採用、州独自のものを追加する」といった感じです。
そこで、以下に連邦政府、カリフォルニア、ニューヨークの祝日を表にしてみたいと思います。
しかし、ここで1点注意なのですが、「連邦政府なり州政府なりの政府が定めた祝日であっても、企業が休みになるとは限らない」ということです。
まあ、これは日本でも当たり前で、最終的には企業の判断によります。
なので、カリフォルニアの表に限っては、私個人の経験で申し訳ないのですが、会社が休みにならなかった祝日を△で示してみました。
それでは見てみましょう。
日付 | 祝日の名前 | 連邦政府 | カリフォルニア | ニューヨーク |
1月1日 | New Year's Day | 〇 | 〇 | 〇 |
1月第三月曜 | キング牧師の誕生日 (Martin Luther King, Jr. Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
2月12日 | リンカーンの誕生日 (Lincoln's Birthday) |
〇 | ||
2月第三月曜 | プレジデント・デイ(※1) (Presidents day) |
〇 | 〇 | 〇 |
5月最後の月曜 | メモリアル・デイ (Memorial Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
7月4日 | 独立記念日 (Independence Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
9月第一月曜 | レイバー・デイ (Labor Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
10月第二月曜 | コロンバス・デイ (Columbus Day) |
〇 | △ | 〇 |
11月1日を除いた最初の火曜日 | 選挙の日 (Election day) |
〇 | ||
11月11日 | 退役軍人の日 (Veterans Day) |
〇 | △ | 〇 |
11月第四木曜 | サンクス・ギビング(感謝祭) (Thanksgiving Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
11月第四金曜 | ブラック・フライデー(サンクス・ギビングの翌日) (Day after Thanksgiving) |
〇 | 〇 | |
12月25日 | クリスマス (Christmas Day) |
〇 | 〇 | 〇 |
合計 | 10日 | 11日 | 13日 |
※1:連邦政府のカレンダーによると、この日は「ジョージ・ワシントンの誕生日」と定められていますが、多くの場合は「プレジデント・デイ」というのが一般的です。
アメリカの祝日は年間10日から13日
上の表で、アメリカの標準的な年間の祝日は10日から13日であることが分かります。
一方で日本では、業種にもよると思いますが、普通の企業ならゴールデンウィークやお盆、年末年始の休日を加味すると、年間の祝日はおよそ24日くらいあると思います。
単純に日本の方が2倍の祝日があります。
いや、ほんと、日本うらやましいです。
日本では働き方改革なんて言葉が流行っているらしいですが、アメリカ人にも教えてやってほしいです。
特に、正月などはひどいもんです。
日本では、大晦日と年始の三が日は有無を言わさず休みになると思いますが、信じられないことにアメリカでは1月2日から通常運転です。
上の表によると、どの政府機関も12月31日は祝日扱いになっていませんが、実際は多くの企業では12月31日が休みになるか、午後から半休になります。
それを考慮しても、年末年始の休みは正味たったの2日です。
これが日本人にとっては非常につらいです。
なにしろ「正月三が日は休み」という文化で育ってきていますから。
いや、大半のアメリカ人が1月2日から働いているというのは知っています。
でもこちとら日本人です。
「正月三が日は休み」と骨の髄までしみ込んでいるので、体が拒否反応を起こしてしまいます。
こればっかりは何年たっても慣れることはないでしょうね、、、
祝日は少ないけど残業も少ないんでしょ?
アメリカは祝日が少ないという話をすると、必ず「でもアメリカは残業が少ないんでしょ?」という反論があります。
これは、確かにおおむねその通りだと思います。
ただ、残業が多いか少ないかは業種や職種によりますし、もっと言えば個人によります。
例えば、製造業のラインで働くパートのおばちゃんなんかは、当たり前ですが残業はゼロですし、正社員でも例えば人事部で事務をしている人なら、こちらも残業はかなり少ないと思います。
しかし、一方でIT業界はアメリカでも残業が多い部類なのではないかと思います。
私はIT業界しか知らないのですが、少なくとも私がやり取りをしていたIT系のベンダーの担当者は、夕方6時を過ぎても普通にメールに返信してきていました。
私自身はアメリカで働いていると言っても、日系企業なので、1日に2,3時間の残業は普通かな、という慣れがあります。
しかし、アメリカ人でもそういう人っているんだなーと気の毒に思ったものです。
しかし、そんな働き者のアメリカ人も存在するのですが、やっぱり大半のアメリカ人は残業をしない傾向にあるのは事実です。
例えば、私が以前働いていたIT企業では、日系企業だったのですが、日本人も日本人以外も在籍している職場でした。
日本人以外の人種は、アメリカ人、ロシア人、インド人と様々でしたが、夜遅くまで残業をするのは決まって日本人グループだけ、という異質な社内格差が存在していました。
私も忙しい時期は夜の12時くらいまでオフィスに残って作業をしていたのですが、そんな時間まで残っているのはいつも日本人です。
ごくたまーにインド人の同僚が11時くらいまで残っていたこともありますが、基本的には「日本人が残業をして業務を回している」という印象でした。
このような格差に、日本人の社員もだまってはいなかったようですが、その後どうなったのかは私は知りません。
なんだかどっちつかずの論旨になってしまいましたが、残業に関してまとめると以下のようなことが言えると思います。
・多くのアメリカ人は残業が少ない傾向
・しかし、日本人なら一定量の残業は覚悟(2時間くらい?)
・ただし、最終的には業種や職種による
それでもアメリカは有給が多いんじゃないの?
アメリカは祝日が少ないという意見に対して、「でもアメリカ人は有給が多いんでしょ?」という反論もあります。
これに対しては、半分本当、半分間違いがあります。
まず、会社から与えられる有給の日数自体は日本もアメリカも、そんなに差がありません。
今、私が勤めている会社は、日系の企業なのですが、一年間に与えられる有給は最大20日(5年目)です。
そして、これは一般的なアメリカの企業と比較しても、同等か平均以上の水準です。
日本でも多くの企業で最大20日くらいなんじゃないかと思います。
しかし、「実際に有給を消化しているか?」という点で、日本とアメリカでは違いが出てくると思います。
日本人は、一般的に有給を取得しない人が多い傾向があります。
おそらく、人手不足だとか、緊急時のために取っておきたいといった感情が、有給の取得を妨げる要因になっているように思います。
以下の記事によると、平均的な日本人の有給消化率は約50%にとどまっているようです(2018年)。
「有給休暇」の基礎知識。“付与日数”や“5日取得義務”などの注意点を解説
これは、世界的に見てもかなり低い水準です。
一方、アメリカ人の有給取得率は、同記事によると71%となっている(2018年)ので、いくぶん良さそうです。
これは確かに、私の経験とも一致しています。
私は日系企業しか経験がないのですが、日本人でもアメリカ人でも、有給を取る事へのハードルはいくぶん低い印象があります。
この根底にあるのは、「みんな取っているから」という事に尽きます。
特に一週間以上の長期休暇を取ることが、そんなに珍しいことではないというのが特徴です。
日本だと、5日以上連続で有給を取るなんてことは、あまりないことだと思います。
結婚や出産などでそういうケースはあると思いますが、ただの旅行とかの目的で連続して有給を取るケースってあんまりないのではないかと思います。
しかし、アメリカではそもそもゴールデンウィークやお盆のような連続した祝日が少ないので、みんな自分で好きな時に長期休暇を取ります。
そんな背景もあり、みんな一年に一回か二回くらいは一週間以上の連続休暇を取るのが普通です。
このように、アメリカでは有給の取得率が高いため、有給が多いような印象があります。
しかし、祝日による休みを考慮に入れると、「年間での休みの日数」には大差がありません。
つまり、以下のようなことが言えます。
・日本では祝日が24日/年、有給消化できればなお良し
・アメリカでは祝日約11日、有給消化率を70%と見積もると、約14日くらいで合計25日/年
言い換えると、
・日本:「何もしなくても勝手に年24日の休みがある」
・アメリカ:「わざわざ有給消化してやっと年25日の休みとなる」
と言えます。
日本では、祝日の24日に加え、まだまだ有給が残されているので、精神的な安心感を得られる点が素晴らしいですね!
働き方改革なんて言ってますけど、アメリカ人のほうがよっぽど改革するべきだと思います。
まとめ
というわけで、アメリカ人がいかに社畜かという話でした。
アメリカ経済の強さも、こんな根本的な労働時間の長さから説明ができるのかもしれません(短絡的過ぎますが)。
みなさんも、アメリカに移住して働きたいと思ったらこんな現実を覚悟するようにしましょう。