0. はじめに
就職活動や転職活動をしている人にとって、従事するポジションが運用なのか開発なのかというのは、将来を決める割と大きな分岐点になるんじゃないかと思います。
この記事を読んでいる人の中には、もしかしたら「運用のポジションで内定もらったんだけど、スキルアップする機会があるかどうか心配、、、」という人もいるかもしれません。
開発と運用で、どちらが良いというのは人によるので明確な答えはありませんが、今日は開発も運用も経験した私の経験を交えて、運用のメリットデメリットを書いてみたいと思います。
私は今の会社に転職して約1年くらいになります。
職種はIT関連ではあるのですが、私のポジションはいわゆる運用です。
その前はIT企業で10年以上開発・設計に関するポジションで働いていました。
なので、入社する前は、「運用か、、、スキルアップできないだろうな、、、」と思っていたのですが実際のところを書いてみます。
1. 運用ってなに?
そもそも運用といっても、あまりなじみのない人が多いかもしれません。
まあ、このブログに来ている人はIT関連の人が多いと思うので説明は最低限にしますが、運用業務というのは大まかに言ってシステムを毎日使う側、ってことで良いと思います。
これに対するのは開発で、システムを設計・開発する部門です。
一般に、IT業界において運用というポジションは、予め決められた手順に従って作業するため、頭を使わなくて良い部門と言われていると思います(ひどい)。
また、運用部門では、開発に携わらないため、システム開発に関するスキルアップができないという問題があります。
私は、これまでもっぱら開発でやってきたため、運用に移ることに少し抵抗がありました。
今の会社に入って1年とちょっと経つので、開発と運用の違いについて実感したことを書いてみたいと思います。
2. スキルアップができないのは本当だった
これは本当でした。
スキルアップの機会がないのは、運用部門で働く人たちにとっては最大のデメリットと断言できます。
運用業務自体にはいろんな手順があって、覚えることはとても大変だったのですが、一度覚えてしまえば業務の7割は決まった作業になります。
しかし、設計・開発に関して成長する機会は全くありませんでした。
面接のときは「それは自分次第だよ」とうまく煙に巻かれましたが、こんな環境で設計・開発のノウハウに首を突っ込んでいくのはかなり難しいです。
具体的には以下のような理由になります。
・周りが設計・開発に興味がない
→自分が運用なので、周りの同僚は必然的に運用の人たちになります。なので、設計・開発の話になると「あとはあっちの話」となり、首を突っ込めなくなります。
・情報共有されない
→そもそも、設計・開発部隊が何をやっているのか見えない。
・運用のお仕事で手一杯
→本業の運用はなかなか忙しい
まあ、会社の方からすれば、業務の責任の所在を明確にするために分離しているわけですから、運用の私が設計・開発部門に首を突っ込むというのは望むところではないのでしょう。
というわけで、「自分次第」というのは、私には当てはまらなかったことになります。残念。
3. 残業は少ない、脳の拘束時間がない
こちらは運用の大きなメリットです。
開発をやっていたころに比べると、残業する時間は圧倒的に少ないと思います。
これも、入社前から予想できていたことですが、基本的にはその日に発生したイベントをこなすだけなので、残業は少ないです。
自分の時間に終わらなかったら他のメンバーに託すこともできます。
また、脳の拘束時間が減りました。
というのは、オフィスにいない間、仕事のことを考えている時間が減ったという意味です。
開発のころは、車の中でも帰宅した後も、抱えている案件の進捗を心配したり、開発がうまく行かない部分の解決策を考えたり、とにかく休みの日でさえプロジェクトのことに頭が拘束されていました。
休日にコーディングするなんてのは割と日常茶飯事だったりもしました。
しかし、今はオフィスを出れば、仕事のことは頭からすっかり消えます。
この解放感は非常にありがたいです。
納期がない仕事なので、精神的なストレスがずいぶんなくなりました。
4. 長期休暇を取りやすい
そして、誰でもできる作業なので、長期休暇が取りやすいというメリットもあります。
我々のように、外国に住んでいる者にとっては、日本への一時帰国をする際、どうしても長期休暇を取りたくなります。
日系企業であれば、ある程度理解を示してくれるとは思います。
しかしそれでも、SEのポジションだと長期休暇は会社には嫌がられる事必至です。
というか、日本に住んでいる人たちにとっては、そもそも有給を消化して長期休暇を取る、なんて概念があんまりないかもしれないですね、、、汗
5. まとめ
総じてみると、私は運用に回って良かったな、と思っています。
もともと開発は向いていなかったのかもしれません。
会社の中で出世したいという欲望があまりないので。
スキルアップできないという難点はありますが、空いた時間で自分の興味のあるスキルを勉強していくほうが楽しそうです。
また、今のように運用に回ったおかげでブログの執筆に集中できるようになりました。
開発の仕事しながらこんなに労力のかかるブログなんて、絶対長続きしない自信があります。
まとめると、運用のお仕事というのは以下のような人に適しているのではないかと思います。
- 頭を使う仕事は面倒
- 会社での出世は期待していない
- 残業は少ないほうが良い
- 長期休暇も気兼ねなく取りたい
- 自分でスキルアップできる
そんなわけで、運用に回って時間ができたので、資産形成に精を出せるようになりました。
別に開発はダメって言っているわけではないですよ。