こんにちは。ロサンゼルスで学校区が底なしに悪い地域に住んでいるワラゴンです。
連日コロナウイルスのニュースが飛び交う今日この頃ですが、実は先日、かねてからの悩みの種だった娘の学校問題が、Magnet Programによって晴れて解決したので簡単に紹介してみたいと思います。
LA周辺に住んでいる日本人は多いと思いますが、お住いの地域の学校区のレベルが良くないという悩みを持っている人は意外と多いんじゃないかと思います。
これは、小さなお子さんがいる日本人の家庭にとっては結構大きな問題ですよね。
そういう我が家も、今年の9月からはKindergarten (小学一年生相当?) に通う事になる娘がいます。
そして、私が住んでいる地域はLAUSD (LA Unified School District) に属しているのですが、LAUSDの学校は総じて学校のレベルが高くありません。
例えば、https://www.greatschools.org/のようなサイトで、学校のテストの成績や人種の構成比を見ることができます。
これによると、うちの学校区の学校のテストの成績は10段階で下から2番目、人種の構成を見るとヒスパニック82%、アジア系1%となっています。
・・・
・・・
圧倒的マイノリティ・・・
想像するだけで泣ける・・・
こんな戦場にウチのかわいい娘を通わせるなんて、親としてできません。
そこで選択肢の一つとして浮上してくるのが、今日紹介するMagnet Programです。
ちなみに、ウチはこのプログラムで幸運にも抽選に選ばれたので、晴れてかなりマシな学校に行けることが決まりました!
申請自体は約6ヶ月くらい前だったので、ずいぶん忘れてしまっているのですが、なるべく間違いがないように書こうと思います。
Magnet Programとは
Magnet Programとは、LASUDが用意しているプログラムです。
私も詳しくは分からないのですが、どうもLAUSDが提供しているCHOICESというプログラムのうちのひとつのようです。
Magnet Programを一言で言うなら、自分の住居以外の管轄の学校に行けるようになるよ、というプログラムです。
通常、子供が通う学校は、学区によって決められています。日本と同じですね。
ところが、Magnet Programでは、条件を満たせば自分の学区以外の学校に行かせてくれるのです。
本来は、ビジネスやサイエンス、芸能等の分野別にテーマを絞り、才能ある子供たちを集めるために設立されたプログラムのようです。
Magnetという名前が示す通り、住まいや国籍に関係なく才能ある子供達を集めて教育の機会を均等に与えようという趣旨なんだと思います。
が、実際は選考の過程で子供の能力なんて評価されないので、おそらくは事実上、別の学区に子供を通わせるためのプログラムと考えて良いんじゃないかと思います。
抽選があるので、誰でもどこにでも、という訳ではありませんが、選択肢の一つとして検討する価値は十分にあると思います。
Magnet Programを提供している学校は?
全ての学校がMagnet Programを提供しているわけではありません。
現時点(2020年)の情報によると、LAUSD内に312の学校がMagnet Programを提供しているようです。
ちなみに、Magnet Programの提供形態として、学校全体がMagnet Programの生徒しかいない形態と、通常の学校の一部のクラスとしてMagnet Programを提供する形態があるようです。
大部分は後者になります。
どの学校がMagnet Programを提供しているかは、公式サイトから検索することができます。
Magnet Programの学校はどの学校も成績の良い学校ばかりなので、Magnet Programを提供している学校であれば、うちにとっては問題ありませんでした。
申し込みのタイムライン
おおまかな日程はこんな感じです。
10月1日: 申し込み期間 (締め切りは11月9日くらいまで)
12月中旬:申し込み受付確認メールが届く
2月中旬: 応募資格審査の結果メールが届く
3月中旬: 選考結果のメールが届く
4月中旬: 最終選考結果のメールが届く
以降は学校の指示に従って必要書類を揃え、9月ごろから学校スタート。
ちなみに、11月9日くらいの締め切りに間に合わなかった人用に、Late applicationの受付が、2月から始まります。
申請要件
申し込みの要件はそんなに多くありません。
せいぜい、年齢が合っていることと、LAUSDのエリア内に住んでいること、くらいです。
申込期間は限られている(毎年10月の始めから約1ヶ月間)ので、そこを逃さないようにしましょう。
申し込み方法
学校からMagnet Program申し込み用の申請用紙をもらって、それに記入して郵送するという方法もありますが、Webサイトからも申込むことができます。
うちは、この公式サイトからオンラインで申込みました。
どこから申込んだのか忘れてしまいました。
ごめんなさい。
多分ここに行って、右上のApply Nowから登録したと思うんですが、定かではありません、、、
基本ルール・選考基準
ここで、Magnet Programの基本的なルールと選考基準を書いておきます。
【基本ルール】
・LAUSDエリア内に住んでいる人が申し込みできる
・LAUSDエリア内でMagnetを提供している学校を3つ選んで申し込むことができる
・多くのポイントを保持している人が優先的に選出される
・選考に漏れると、第一志望の学校のwaiting listに登録される
【選考基準】
選考の基準として定められているのがMagnet Priority Pointシステムです。
ポイントシステムと言うだけあって、ポイントが高い人が優先的に選択されます。
特定の条件を満たしていると、それに対するポイントが与えられます。
Matriculation :12ポイント
Matriculationというのは入学許可みたいな意味らしいです。既にMagnet Programの学校に通っていて、優秀な成績を収めている場合に与えられるようです。
例えば、Magnetの小学校に通っていて、次もMagnetの中学校に行きたいような場合、成績優秀だと12点もらえるよ、ということのようです。
うちは小学校への入学なので、あまり関係がありません。
Waiting List : 4 - 12ポイント
希望校に対してwaiting listに乗っている場合は4ポイント加算されます。
これは毎年溜めることができ、最大で12ポイントまでためることができます。
PHBAO School : 4 ポイント
これは少し説明が難しいのですが、PHBAOというのは、Predominantly Hispanic, Black, Asian, or other Non-Anglo の頭文字から来ているようです。
自分の学区の学校がPHBAOに指定されている場合は、4ポイント獲得することができます。
PHBAOに指定された学校というのは、生徒の大部分(70%以上)がひとつの人種によって構成された学校を言います。
つまり、うちのように自分の学区の学校は、人種の構成比をみると70%以上はヒスパニック系です。
なので、当然PHBAOに指定されています。
というわけで、うちの場合は4ポイント加算されるというわけです。
このポイントは溜めることはできません。
Overcrowded : 4 ポイント
自分の学区の学校が、Districtによって、Overcrowdedと認定されている場合に4ポイント加算されます。
人口が密集している地域では、学校の数に対して生徒の数が多くなります。
そのような学校の負担を減らす目的だと思うんですが、LAUSDによってOvercrowdedと認定された学校が、自分の学区の学校である場合も、上のPHBAOと同じように4ポイントが付与されます。
PHBAOとOvercrowdedに指定されているかどうかは、以下のページから確認することができます。
https://achieve.lausd.net/Page/1958
Sibling : 3 ポイント
希望する学校に、既に兄弟が通っている場合は3ポイント加算されます。
3ポイントじゃ少なくない?とも思いますが、文句を言っても仕方がないですね。
私の場合の経験談
これは、私の場合の話なので、全ての人に共通するかどうかは分かりませんが、参考までに書いておきます。
申し込み期間は毎年10月に始まります。
私は、書類の準備で慌てなくなかったので、候補の学校に何度か足を運び、情報をもらうようにしました。
6, 7, 8月は学校が夏休みに入ってしまい、学校の事務も閉まっています。
なので、その前に一度足を運びました。
そこで学校の案内をしてもらったり、申し込みに関する情報を聞くようにしました。
私たちの最大の関心事はずばり「選考される可能性があるかどうか」だったので、Magnet Program対象の定員数や、現在のアジア人の割合などを聞いた覚えがあります(アジア人が0人とかだと、選考される確率が低いのかな、なんて邪推をするためです)。
他にも、その学校のMagnet Programで、どんな科目に力を入れているか、といった情報も得られるので、面倒でも一度足を運んだ方が良いなという事を感じました。
色々な話を聞いたのですが、ひとつ私が思ったことは、「もしかしたら人種ごとに枠が決まっているのではないか?」ということでした。
というのも、せいぜい20人くらいの定員にも関わらず、アジア人が2人くらいいるという事を聞いたからです。
その学校のエリアの人種の構成比を考えると、普通にアジア人の割合は5%を切っていると思います。
20人のクラスに対して、2人ということなら10%です。
つまり、どういうわけかアジア人が一定数選ばれるようにバイアスがかかっているのでは、という推測ができます(根拠としてはかなり弱いですが、、、)。
まあ、その想定が正しいとしても、アジア人2人枠のところにそれ以上の申し込みがあった場合は、やっぱり抽選か何かで選ばれることになると予想できるので、結局は運なのか?と思う部分もあります。
そして次に、選考の結果が覆る可能性がある、という点についても注意です。
もう一度、Magnet Programのタイムラインを示します。
10月1日: 申し込み期間 (締め切りは11月9日くらいまで)
12月中旬:申し込み受付確認メールが届く
2月中旬: 応募資格審査の結果メールが届く
3月中旬: 選考結果のメールが届く
4月中旬: 最終選考結果のメールが届く
ここで、3月の中旬に選考結果がメールで送られてきます。
私の場合、ここではDeclinedと判定結果が下りました。
「やっぱりだめだったか~」なんて思ったのですが、学校訪問の時に「Declineになっても一度学校に電話して」言われていたことを思い出しました。
ここでちょっと補足なのですが、Magnet Programの選考プロセスはLAUSDが主幹となっています。
それぞれの学校は誰がどの学校にアプライしたか、とか、誰が何ポイント持っているか、という情報は持っていません。
しかし、それぞれの学校は選出結果とwaiting listに誰が載っているか、くらいは分かるみたいなんです。
少し話が逸れましたが、そんな背景を踏まえ、諦めの悪い嫁は第一希望の学校に電話しました。
その学校の人によると、「うちはwaiting listのかなり上位に位置しているから、最終選考で選出される可能性がある」と言われたそうです。
私は、これを聞いても「どうせお役所的な気休めの言葉なんだろう」とかなりネガティブに捉えていました。
しかし、実際には4月の中旬になって学校から電話があり「最終選考でAcceptedになったよ」という電話があったのです。
これには本当に驚きました。
ほとんど期待していなかったのですから。
「本当かな~?」とか疑っていたのですが、その後「Acceptedされたよ」という内容のメールも届き、確信に至りました。
そんなわけで、一度Declineになっても一度学校の方に電話してみる事をおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今、お住いの学区での学校区が悪い場合、普通なら引っ越すというのが最初に出てくるアイデアなんじゃないかな思います。
しかし、ご存知の通り、Torranceを始めとしたLAUSDエリア以外の地域では、家賃がハンパなく高いのでそんなに簡単な事ではありません。
そこで引っ越しを考える前に、まずはMagnet Programで自分の学区以外の学校に行けないかを検討する価値は十分にあると思います。
抽選と言う運任せな部分もあるのですが、私が思うにアジア人であれば、思ったより確率は高いのではないかとも思います。
そんなわけで、LAUSD地域に住んでいる人は、ダメもとでも一度アプライしてみることをおすすめします。